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INTERVIEW VOL.02 闘病中の人気スタイリストが、
ルクシーを着用して感じたものは?

シルクを使ったアイテムの魅力を、より多くの人に知ってもらいたい。ルクシーはそんな思いのもと、大人の上質なライフスタイルに寄り添うブランドとして開発を続けています。人気雑誌「Safari」のスタイリストとしても活躍中のKim-Changさんは、2019年1月に脳出血で倒れ、現在リハビリをしながら仕事もこなす日々。倒れてから、過敏になってしまったという肌の感覚と肌着の関係を中心に、今回はお話を聞きました。

スタイリスト・ファッションディレクター

Kim-Chang さん

1966年生まれ。伝説的音楽番組「小林克也のベストヒットUSA」の影響でアメリカへの強烈な憧れを抱き、大学では英米文学を専攻。映画会社勤務を経てフリーランスのファッション編集者、その後ファッションスタイリストの道へ。数々のファッションメディアでスタイリングを手掛けてきたほか、現在では広告・カタログのディレクターとしても活躍の場を広げている。立ち上げの頃から携わってきた雑誌『Safari』は17年目、ウェブメディア『ブルーダー』は5年目を数える。

Instagram / @Kim2san
Instagram / @3200canyondrive

— Kim-Changさんといえば、ファッション界のベテランですよね。今回、私たちはファッション的な視点でお話をお聞きするつもりだったのですが、身体を壊されていたと聞いて驚きました。

2019年1月に脳出血で倒れて半年間入院しました。退院してからは、アシスタントのサポートを得ながら1日に2時間、3時間と仕事の時間を増やして、徐々に復帰をしました。いまはアシスタントにも動いてもらって、仕事をこなしています。

— それは大変でしたね。じゃあまだ体調は万全ではないんですね。

右半身の感覚が過敏になっていて、肌に衣類が触れるとビリビリと傷みを感じます。生地の表面感のあるものは軽く触れても痛い。退院してしばらくは刺激を恐れて朝起きてから1~2時間くらい、洋服を着ることもできないくらいでした。視床痛と言って、実験をしてエビデンス(よいと判断できる処方の証拠)を探すのですが、法則性が見つからないので、治しようがありません。また、長く続くと言われています。いまはこの感覚に負けない気力で立ち向かっているところです。

— 普段、着るものはどのように選んでいらっしゃるんですか?

まず、探したのが安心に通じるものです。最初に見つけたのはユニクロのヒートテックの一番生地の薄いもの。編み目が細かいため、刺激が少ないんです。

— そして、今回、ルクシーのアイテムをいくつか試してみて、いかがでしたか?

着心地に優しさがあって、心地よいので、同じ症状の人にオススメしたいと思いました。着用時の安心感を求めている人は多いんです。ルクシーは肌の一部として着られる感じといいますか。イヤな刺激はありません。肌へ違和感が完全になくなるわけではないのですが、余計な刺激を最小限に抑えてくれますね。

— 今日、着ていらっしゃるのはルクシーの長袖アウターTニットパーカーですね。

この組み合わせはよく着ています。(過敏な感覚により)シルクならではの感覚は分からないものの、安心感はすごくあって、肌に悪い影響はない印象です。ファッション的な切り口でいうと、パーカーは合わせやすくて重宝しています。ユニクロのインナーだと、外には見せないように着ますが、ルクシーなら見せて着ることができます。

— きっと、いままでに買ってあった洋服が思うように着られない状態ですよね。

倉庫を持っているくらいに洋服があるんです(笑)。でも、それらが全然、着られない。例えば、冬場のツイードや、ざっくりと織られたウール地の洋服などは刺激が強すぎて……。特に生地表面に凹凸があるスポーツジャージなんかは、着る勇気が出なかったんですよ。レザーも本来はダメなのに、いまはルクシーのインナーという武器を手に入れました。これを下に着用することで、いままでのアイテムが着られるようになります。

— それはよかったです!

ルクシーを着てみて、イヤな気持ちになりませんでした。今回の病気に限らず、インナーとしても戦力になるなと。たとえば、シルクとカシミアをブレンドした素材(ニットパーカーに使用している)は印象に残りました。シルクが入ると肌触りがサラサラして心地よいです。

— ほかにもアイテムの感想をお聞かせください。

肌が過敏になっていることから、手首も洋服の袖口や縫い代が触れると強い刺激を感じます。それを避けたくてセーターやチェックシャツは手首が洋服に当たらないよう、袖を捲って着ています。そんなとき、下に合わせられる七分袖のインナーは便利なんです。

— ルクシーのインナーは内側の縫い目に、肌への刺激の少ないウーリー糸を採用しています。だから、なおさらいいんですね。

あとはシルク×コットンのタートルTシャツ。これも内側のシルクが心地いい。首回りへの刺激は、さほど気にならないし、使いやすいです。一番多いコーディネイトは、このTシャツの上にシャツを合わせるスタイル。一枚で着るのにもよいと思います。インナーとして着る場合、軽くフィットしながら、絞めつけ過ぎない身頃の加減も重要です。その点で、このTシャツは合格でした。

— いま、ルクシーで気になるアイテムはありますか?

3月だとちょっと時期が早いけれど、もうすぐ着られる長袖開襟シャツが楽しみです。こちらのシャツは十分にファッションアイテムとして通用します。昨夏退院したときに、シルク100%のアロハシャツを着て、それが馴染んでいたものですから、そんな風に着てみたい。
今後は私と同じような人のために、病院や医師と共同でシルクを生かして、刺激の少ないアイテム開発に、取り組んでもらえるとうれしいですね。

— それは面白そうなアイディアですね。Kim-Changさんご自身の新しい取り組みや目標を教えてください。

今年の夏、7月か8月には第二の故郷のような場所、ロサンジェルス(LA)に行きたいと考えています。LAの山の斜面に有名なハリウッドのサインがありますよね。あそこまで徒歩1時間半程度で登ることができるんです。そこへ上れたらいいねと、周囲に話しています。

自分が病気をしたことによって、いまは従来の30%くらいしか仕事がこなせていません。だからといって、無理をすると同じことになってしまうので、いままでと違うスタイルの仕事を始めようと動いています。まずは4月オープンを目指して医療系のブログを準備中。これは自分の体験を通じて、同じ症状の人たちの役に立つ情報を提供するものです。

もう一つはTシャツづくり。LAのアーティストやスケーターにデザインしてもらったプリントを載せたものになります。最後はファッションブランドの立ち上げ。これは架空の自動車屋さんが手掛けているブランドというアイディアで進めています。やることやりたいことは多々ありますね。

大変な困難を経験し、いまもリハビリと仕事を両立する木村さん。にもかかわらず、取材中に笑顔を絶やさず、楽しそうに目標や現状を話す姿勢には、ルクシースタッフも応援したい気持ちでいっぱいになりました。一方で、ルクシーが気づいていなかった新しいニーズを知る経験ができたのはありがたい限りです。これからのKim-Changさんのご活躍にエールを送ります!